それでも君が。
「羽月、具合、どう?」
「うん。具合はだいぶいいの。熱はあるけど、そんなにひどくない」
「そっか。良かった」
「何で、知ってるの? 私が熱出たって……」
「そりゃ蒼先輩よ。食べられそうなモン、買ってきてあげてくれないかって。蒼先輩が今、冷蔵庫に入れてくれてる」
「……そっか。ごめんね、ありがとう」
そう呟く私を傍で見下ろしていた澪ちゃんは、「座るよ」と言って、ベッドに腰を下ろした。
ギシッと沈む、スプリングのベッド。
さっきの蒼君の時と同じように、澪ちゃんと向かい合うような形になる。
「……ねぇ羽月」
「ん?」
「蒼先輩とは、どう?」
「……上手く、やってるよ」
「……そっか」
「………」
「………」
「……澪ちゃんのバカ」
澪ちゃんの“そっか”は、いつも優し過ぎるんだよ……。
自分の頬に涙が伝う感覚は、とても切ない。