それでも君が。

「晴君」


「ん？」





その聞き返し方が、とても優しくて……



思わず、鼻の奥が痺れた。



背が高い彼を見上げれば、とても優しい目で私を見ている。



──きっと私は……



晴君にも、たくさん守られてきた。





「……私ね……どうしても、蒼君のこと、嫌いにはなれない」


「……だろうな」


「……蒼君の態度は、日に日に悪くなってる気がするのに……それでも、何だか……」


「なに？」





言葉を繋ぐのをやめた私を、促す。





「……蒼君に……守られてる気がしてならない。蒼君が……私のこと、嫌いになるはずなんかないって……そう思ってしまってる。厚かましいけど……」


「羽月……」





ちょっと意外そうな声を出す晴君。



また改めて彼の目を見ると、その目は見開かれていて……



真実を語っている気がして……