それでも君が。
付き合ってるということを否定こそした澪ちゃんだけど、一つの想いだけは否定しきれていない。
そのピンクの頬と、潤んだ目が語っていた。
「……でも澪ちゃんは……好きだよね? 晴君のこと……」
今までは、本気で好きとかじゃなく、ただの憧れだっていうニュアンスで“晴先輩カッコいい”と言っていると思ってた。
でも……
今目の前にいる澪ちゃんを見ていると、それだけではないんじゃないかとどうしても疑ってしまう。
「澪ちゃん……」
促すように、窺うように名を呼ぶと、澪ちゃんは意を決したように、またコクリと小さく頷いた。
その瞬間、さっき晴君が出した言葉がフワリと脳みそを包んだ。
“お前の大事な友達を傷つけるようなことは絶対しねぇから”
喉の奥から、何かが込み上げてくる。
嬉しい。
嬉し過ぎて、視界がハッキリと綺麗になった気さえする。
晴君は、私の友達だからと言って、本当は好きでもないのに気持ちを偽ることなんてしない。
本当に本気で、澪ちゃんが好きなんだろうと思う。