それでも君が。
「……身の程知らずだって、自分でも思うんだけど……好きなの。どうしようもないの……」
小さな声でそう言った澪ちゃんの横顔は、彼女の綺麗な黒髪で隠されていて、見えない。
手元を見ると、お弁当箱を持つ手に力を入れてるように見えた。
「……そんなこと、ないよ」
澪ちゃんは、私の言葉に促されるようにゆっくりと顔をこちらに向けた。
「晴君は、大事に想ってない人の背中なんか、追わない人だよ」
「……羽月」
「頑張ってね、澪ちゃん。きっとうまくいく。いったら嬉しいな! ダブルデート出来るね」
ピースして明るくそう言うと、澪ちゃんはまたその目に涙をためた。
「澪ちゃん泣き虫」
冗談ぽくそう言ったつもりだったのに、澪ちゃんは笑ってくれなかった。
その代わり
また私に抱きつきながら、泣き続けた。