それでも君が。
──ダメ……
蒼君……
ダメ……
来ちゃ……
ダメ……!!
「またお前か!」
男が、叫ぶ。
嫌な予感がする間は、なかった。
男は、ジャンパーのポケットから、それを出したのだ。
……柄に、刃をしまうことが出来る形の……
ナイフ……。
「い……いやぁぁぁ!!!」
誰かが叫んでる……
そんな風な意識だった。
でもそれは、私の声。
私が出したものだ。
だって
だって……
映画みたいな映像が、頭の中で流れたの。