それでも君が。
次の瞬間だった。
ドンッ!!
という音がした。
気付いたら、私は蒼君に包まれるように抱き締められていて……
その音が何の音だったのか、何も分からなくて……
──蒼……君?
そう呟くしかなかった。
──チッ!
男が舌打ちをした。
……犯人、まだ、いたの? 逃げたんじゃ、なかったの?
そう思った途端、嫌な予感とかでは済まされない、とてつもなく黒い予感が押し寄せてきた。
……さっきの、ドンッ! て音、何……?