それでも君が。




……蒼君が……刺されたの……?





そう思った自分こそを、刺してやりたい気持ちがした。










──……いやぁぁぁぁ!!









あの時も




そうだ。




私は、叫んだ。




誰か助けてって。




蒼君が




蒼君が死んじゃう。









──は、づき……落ち着け……。大丈夫だ。大丈夫だから……













蒼君のその声を最後に、私の意識は真っ暗になった。











救急車を呼ぶことさえ出来なかった私を……




私が一番殴ってやりたいと。




意識の奥深くで、自分で自分を呪った。




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