それでも君が。
嫌悪感を露わにしながら睨んでいると、藤堂君は面倒そうにハァッとため息をつきながら、その少し長めの髪の毛をグシャッと崩した。
そして、だるそうに私に向かって歩を進めてくる。
私もつい傘立てから立ち上がってしまった。
彼は、私の前で立ち止まり、無表情で私を見下ろしてくる。
「な、何!?」
「あんなコトとか、こんなコトとか、どういうコトだよ」
「……わざわざそれを言わせようとするなんて……さすがエロ魔神」
「てめぇ、犯すぞ」
藤堂君の影が、ユラリと揺れた。