それでも君が。




「ありがとう」と言うと、晴君は小さく頷き、口を開いた。



「具合、どうだ」


「うん、全然大丈夫だよ。……あれ、そう言えば、晴君合宿は!?」


「明日から」


「そっか……あの、晴君……」


「蒼汰もだよ。明日から一緒に合宿。アイツ最近色々忙しそうで、あんま会ってねぇけど」





私の聞きたいことを先回りして理解してくれた晴君は、そう言って、滅多に見せない笑みを浮かべた。



──そっか、蒼君も、明日から合宿かぁ……。



その準備やらで忙しくて、連絡取れなかったのかな。



そう考えると、少しだけホッとした。




< 50 / 292 >

この作品をシェア

pagetop