それでも君が。
ふと、晴君の隣に座る澪ちゃんを見る。
すると、彼女は眉を寄せて、晴君を見ていた。
「……澪ちゃん?」
思わずそう言うと、澪ちゃんはハッとした感じで、慌てて私に向き直り、その強張った顔を笑顔にした。
「ごめんごめん、何?」
「……ううん。今日、塾ないの?」
「うん。今日は羽月に付き添うつもりで来たから」
「ほんと? ありがとう」
「うん」
満面にその優しい笑顔を浮かべた澪ちゃんだけど、やっぱり何だか、いつもと違う気がする。