それでも君が。




一週間の内、一度だけ晴君から電話がきた。





『蒼汰の奴、かなりしごかれて、疲れててさ。話も出来ない状態だから』





それ以上、突っ込んで聞けるはずもなかった。



いっそのこと、合宿所に飛んで行って、色々世話を焼きたいくらい。



私がこんな風にしてる今も、マネージャーの秋山先輩が傍にいるのかと思うと、それだけで──



胸をかきむしりたくなるの。



──でも、そんな葛藤、今日で終わり。



明日、合宿は終わる。



明日になれば、やっと蒼君に会える。



きっと、帰ってきたらすぐに、会いに来てくれるよね……?



会いに来て……抱き締めてくれるよね?



蒼君……。




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