それでも君が。
それに、一番気になることがある。
私の部屋から見える蒼君の部屋の電気が、1日中つかないのだ。
……どこにいるの?
家にも、帰らないだなんて。
さすがに、おばちゃんに聞くことも出来なかった。
あまりにも、しつこいかなと思うから。
段々頭痛が治まってきて、私はフゥッと息を吐き、喉に水を流し込んだ。
「羽月、治まった?」
「うん。ありがとう」
「……本当に、ごめんね」
「ううん! 澪ちゃんのせいじゃないよ。時々、こうなるの」
「……不謹慎なこと言っちゃったね……。ここ、冷えるし、身体に良くないかも。外出ようか」
「うん」
会計を済ませて店を出た私達は、他愛もないことを話しながら、なるべく影になるような所を歩いた。
こうして、澪ちゃんと一緒にいる時だけは、少しだけ気持ちが落ち着くのが分かる。