虹の彼方
「だってさ、いつもネガティブな発想したってどうにもなんねぇじゃん。笑顔になるだけで毎日が幸せになると思う。」
そう言いながらやっぱり笑っている和くんは
とても格好よく見えて仕方がなかった。
それと同時に…周りの雨音が無くなった。
目の前には傘についた水滴がポツリと落ちていくだけ。
「雨上がった……」
通り雨だったんだ。
よかった……。
地面は現れた太陽の陽が照って、どんどん明るくしていく。
そしてあたし達も照らされていく
「良かったな雨が上がって。」
空を見上げるあたしと和くん。
「うん。ありがとうね。――…あ」
あたしの視線の先に、和くんもつられていく。
………虹だ。
7色の橋。
虹が丸く架かっていた。
「うわっ俺、虹って生まれて初めてみたかも。」
「うそ!!凄いね!!今日が記念すべき一回目!!」
さっきまでのじめじめしていた空間から一変、さんさんとする太陽の下であたし達2人は笑顔になっていた。
虹は
あたしにとって特別。
虹が架かった時は和くんと出会った時――…