虹の彼方
いつまでもトイレで閉じこもっていたらHRに遅れてしまうため、しぶしぶ教室へと戻った。
教室の中に入ると一番最初に目に入るのは…
…和くん。
男子と喋っている和くんはいつもと変わらない。
元気に見える。
その和くんを見ていると安心よりも、胸がきゅーっと締め付けられる。
じっと見つめてしまうあたし。
すると、和くんが不意にこちらを見た。
どうしよう‼ 目が腫れてる‼
あたしは腫れあがった目を隠すように和くんから目を逸らした。
あぁ…またなんてことをしたんだ…。
昨日めちゃくちゃ泣いたことなんかバレバレじゃん…。
ちらっと和くんの方を見ると、和くんがあたしの方へと近づいてくる。
「なぁ凛。俺お前に話があるんだけど」
「えっ‽あたし‽」
「だから昼休み、ちょっといいか‽」
話って…やっぱり…
「うん。開けとく」
あたしの了承を得た和くんはまた男子の群がりへと戻っていった。