虹の彼方




あたしにとって虹は特別な思いを抱いている。



雨の日にあたしは和くんに出会ったんだ。



……それも家の帰り道で、びちょびちょの状態。


風邪を覚悟して諦めたあたしは歩いて帰って行ったんだ。


だけど後ろから


「あんた大丈夫!?傘忘れたの!?」


っと言って走りながら傘に入れてくれた人物がいた。

振り返ると、血相をかいてあたしの目の前で息を上げる男の子。


それが初めましての和くんだった。



「…あ…もう…いいんですよ。 濡れて帰るんで。 近くだし。」


かなり遠い家だけど、初対面の人には迷惑掛けたくなかった。


「あんたそれで帰ったら絶対に風邪引くぞ!!」



いいからっ!!と無理矢理一つの傘を2人で入る事になった。




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