執事と共にお花見を。
「……あの桜、無事?」

「今朝、確認に行ってまいりました。風も穏やかですし、大丈夫ですよ」

「そう」


ようやく、恵理夜はベッドに深く身を沈めた。


「自分が情けないわ」

「仕方のないことです」

「今日一日くらい、大丈夫よね」


そう言って、恵理夜は熱の混濁に意識を沈めていった。
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