執事と共にお花見を。
「……いい顔を、されていますね」

「え?」


普段は、実直で不器用な表情しか見せない春樹が、はっきりと笑みを浮かべていた。


「最近、どうもぼんやりとした表情をされていたので」

「解くべき謎がないと、って奴かしら」


と、恵理夜は自分に対して苦笑した。


「少し、調べてみましょう」


春樹は、恵理夜の手から恭しくチラシを取り上げた。
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