ティッシュに涙と少しの残骸
【真雪そんなに待ちきれないの?ウチのお母さん料理下手だよ】

星流を直視出来なくてドアをみつめるあたしに笑って話しかけてきた。あたしはこの気持ちがなんなのか理解出来ず悩んでる。

【難しい顔してど―したの?胃薬なら常備してあるから大丈夫だよ】

ぽん、と肩を叩きドアを開け部屋を一緒に出た。星流の後ろを歩きながらゆらゆら揺れる柔らかな黒髪をなんとなく眺めながらついていく。

【できた―?】
「星流お皿並べてよ。真雪ちゃん烏龍茶がいい?それともジュース?」
「じゃジュースで」

お母さん以外との家での食事はこれが初めて。星流のお母さんはとても優しくてやっぱり星流と同じだなって、親子だから当たり前だけどね。

「とても美味しいです」
「そう?良かった。たくさん食べてね」
【お父さんいつ帰ってくるの?】
「さあ…急患入れば遅くなると思う」

素麺をすすり焼けたカルビを頬張る。

「お父さんってお医者さんなの?」
【うん。よりによって外科医。いつも臭いよ】
「すごいねぇ」
「星流、臭いなんて言わないの。消毒液っぽい匂いは仕方ないでしょ」

麦茶をグラスに注いでるお母さんに叱られた星流は話題を変えようと話しをあたしにふってきた。
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