オトナな初恋
頬から離れた手は、片方は、私の手を握り、もう片方は、また服の中へ入っていく。



「ッ!!拓海さん!ちょっと待って!!」


『やだ。』


私が恥ずかしがって、そう言ったと思っているのか、全然止まらない。


「やッ…! …お願い…
だめなの…」



こんな気持ちのまま抱かれるなんて、いやだよ。



ねぇ、拓海さん?
着替えたくらいで匂いが消えないくらい、密着してたの?手か腕からって事は、ずっと腕組んでたって事?




やだ…どうして?
その人とどういう関係?
私は何?




『…亜希?』


気付けば私は顔を両手で覆って泣いていた。







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