オトナな初恋
拓海さんは覆いかぶさっている私から離れて、運転席へ戻り、今度はハンドルを抱え込んで大きく、はぁ とため息を吐いた。





「拓海さん?」




『なんだ。それだけか。亜希が雄太にはっきり言わないから、雄太のママになりたいのかと思った。』





ハンドルを抱えこんだまま、チラッと私を見た拓海さん。



その仕草にドキドキしながらも拓海さんへ話かける。




「そう説明すれば良いって思い付かなかっただけなの。…信じて?」





『ああ。…疑って悪かったな。』





ようやく発進した車。
運転する拓海さん。




誤解はとけた……?
何となくだけど、拓海さんの様子がおかしい?
気のせいかな?



信じてくれるって今言ったよね?







何故だかすっきりする事が出来ずに家路までの道を、ただずっと眺めていた。








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