オトナな初恋
寝かせる為拓海さんは私に覆い被さるような体勢になっていて、そのまま動かず上から私を見下ろす。



「拓海さん?」




こんな時なのに、私はドキドキしてしまう。




『…さっきの健太の話だけど…亜希は俺の事気にしないでゆっくりと考えて。』


「ど、ういう…意味?」



『健太のさっきの言葉…プロポーズだろ。俺は亜希が決めた事に反対はしないから。』



「…どうして?拓海さんは私が木下常務と結婚したいと思ってるとでも言うの!?何でそんな事言うの!?…さっき話した事、信じてくれたんじゃなかったの?」




拓海さんと付き合っているのに、どうして木下常務と結婚することを考えなくちゃいけないの?



『泣いたらまた熱あがるぞ。…俺は健太に昔から何をやっても敵わなくて…
亜希の事も、俺より健太の方が幸せにしてくれるのかもしれない。」




好きでもないのに結婚して幸せになんてなれるわけない。



そんな事くらいどうしてわかってくれないの!?




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