オトナな初恋
『亜希ちゃん!こっち!』
食堂に戻ると関口主任に声をかけられた。隣には拓海さんが座っている。
『来てもいないからどうしたのかと思ってた。…着替えてきてたのか?もしかして、また振り返したか?』
心配そうに聞いてくる拓海さん。
「ううん。そんなんじゃないよ。ここ冷房強いから、念のために着替えてきただけ。」
本当は違うんだけど。関口主任もいるのに本当の事は言える訳無い。
…それより今は生理の事で頭がいっぱい。
『…どうした?やっぱり具合悪いんじゃ…』
「な、何でもないよ!!」
心配させちゃいけないよね普通にしてなくちゃ。
今は忘れよう。
「お疲れ様でした。」
定時を迎えて私は席を立った。
やっぱり気になるから、ちゃんと調べておきたい。
『俺も終わったから一緒に…』
拓海さんも立ちあがる。
「お昼に奈緒と会って、これから予定入っちゃったんで、今日はごめんなさい」
『そうか。なんかまだ体調良くなさそうだし、無理するなよ。』
「う、うん。」
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