オトナな初恋

「おはようございます…」






『おはよう…なんか亜希ちゃん疲れてない？』


関口主任は私を覗きこんでそう言う。


「はぁ。ちょっと…」


昨日旅行から帰って来た私に待ち受けていたものは疲れをとる休息の時間ではなくて、お兄ちゃんの実家の近況報告と……尋問だった



まるで警察官が犯人を取り調べるかのようなしつこい尋問。





職場では外して首からﾁｪｰﾝでかけておいてる拓海さんからの婚約指輪。



昨日それをつけていた私を見てからお兄ちゃんはまた泣き叫び、そこから夜中までずっと同じ質問と説得の繰り返し。


“あの男とどういう関係なんだ”から始まり、結婚を前提に付き合っていると説明すると、“お前は騙されている。考え直せ”と泣きながら言う。

ずっとこんな事の繰り返し


お陰で私は疲れも取れるはずなく、ぐったり状態。





.