オトナな初恋
こんなの1週間も続くのかな?



考えてぞっとした。





『大丈夫か?』



そう聞いてくる拓海さん。


「だ、大丈夫です!!」




やばい。拓海さんに心配かけたくないし。
なんとかお兄ちゃんを説得しなくちゃ。





平静を装って仕事を始めた


















お昼も近くなった頃、1本の内線電話が入る。





相手は、受付の女の子からで、




『ご家族の方が、ロビーで桜井さんを待っています。』






がっくりうなだれて、電話を切る。
そんな私を見て不思議そうな、拓海さんと関口主任。






「すみません…少し早いけど、昼休憩行ってもいいですか?…兄が今訪ねて来たと電話が入ったので。」






そういう私に関口主任は

『へぇ。お兄さんいるんだ。一緒にランチかい?行っておいでよ。』


なんてニコニコしながら言う。






『…俺も一緒に行くよ。』




拓海さんは立ち上がり外へ出る準備を始めた。





「い、いえっ!!あの…私ひとりで行きます!!」




拓海さんと一緒に行って、ロビーで泣かれたりしたら、それこそ大変だ。


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