オトナな初恋
『その個室で俺は俺にしか出来ない仕事をやっていくわけだが、もちろんその他にも、やらなくてはいけない他の仕事も多々あって…それを君にやっていってもらいたい。』


「そんな…私ではなくて同じ総務の方のほうが、仕事内容も把握してるじゃないですか!どうして私が?」

『きっかけは月曜日に君が頼まれたという書類だ。次の日に俺も会議に参加しててね。目を通して驚いたよ。新卒なのにこんなに出来るのかと。』


「でも、頼まれた事をやっただけです!」


『君はあの書類が見やすくなるよう、頼んだ相手が気分を害さない程度にだろうが、手直ししただろう。』

確かにあの時上司に頼まれた書類、分かりずらくて、勝手に少しだけ手直しした。


『何も言わないところを見ると図星のようだな。』


「…確かにその通りですが…どうしてわかったんですか?」


『いつもと違う出来に直ぐにわかった。』


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