オトナな初恋
『それで前の日に偶然逢った君がその書類に手直しを入れたと、わかったんだ。』


『それで桜井さんに白羽の矢がたったというわけか。やっとわかったよ。』


関口主任が納得したようにそう言った。関口主任も私が選ばれた理由までは聞いていなかったんだろう。


「でも…」


それだけで私に出来るのかと不安になる。


『君にやってもらう仕事は、主に書類作成だ。指示は出す。』


早坂主任の口調が、もう何を言っても私がやらなくちゃいけないことを物語っている。


ひとつ深呼吸をして私は


「わかりました。これからよろしくお願いします。」

そう言った。


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