オトナな初恋
こんな時、なんて言ってあげればいい?
奈緒にはいっぱい助けてもらったのに、私は何も言ってあげられないのが悔しい




『ただいま!!すぐご飯支度するからっ!!……!?』






ちょっと…早すぎない?今ちょっと前に出たはずのお兄ちゃんがもう帰って来た





「お、かえり…早かったね…」





『商店街閉まってたけど、お願いしたら、開けてくれて…奈緒さんどうしたんですか?』






お兄ちゃんの声で、私の胸の中にいた奈緒は顔をあげた。





『少しいやな事があって…でも亜希に話したらスッキリしました!』





そういう奈緒の目尻にはまだうっすら涙が溜まってた





『!?い、今すぐ美味しいもの作りますから!待ってて下さい!!』






お兄ちゃんは弾かれた様にキッチンへ入り料理を再開した






「お兄ちゃんのご飯、食べていってくれる?」




『うん…亜希とお兄さんてあまり似てないね。最初部屋間違えたかと思ったよ』




「恐い思いさせてごめんね?でも、見た目ほど怖くないから。」





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