オトナな初恋
『ぐす…ごめん…泣くつもりなかったんだけど…
本当は結構前から気付いてたの。
彼の様子がおかしいなって。でも、知らないフリしてたんだ。気のせいって思いこんで…
結局、罪悪感感じてた彼にすべて打ち明けられて、知らないフリ出来なくなっちゃった…』





気付かなければ、ずっと今まで通り一緒にいられる。そう思ったって事だよね。でも、打ち明けられちゃったらもう知らないフリなんて出来ない。
奈緒の事だから、きっと…



「奈緒から…別れを言ったの??」






コクンと頷く奈緒。





『だって…無理だよ…笑って許してあげることも、怒る事も出来なかった…
言われて無かった事なんて出来ないもん…だから…』





「奈緒はえらいね…彼の事苦しめたくなかったんだね。でも…奈緒はそれでよかったの?」






『うん。このまま付き合ってても、もう何も無かった頃には戻れないもん。ただ亜希に聞いて欲しかったんだ。』









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