オトナな初恋
食べてる最中もずっとそわそわしてるお兄ちゃん。
…あやしいってば…



『ごちそうさまでした。』
食べ終えた食器を持って立ち上がる奈緒。



「奈緒、置いておいていいよ。後で片付けるから。」



まだパフェを食べてた私はスプーンをくわえながら、奈緒を止める。




『ううん。ご馳走になったんだから、これくらいはさせて?』





『な、奈緒さん!!僕がやるので、座ってゆっくりしてて下さい!!』




奈緒から食器を奪い取るお兄ちゃんに、驚いた奈緒。


『で、でも明日も仕事だしそろそろ帰らないと…』




『そんな事言わずになんなら泊まっていけば…』





「お兄ちゃんがいるから、もう布団ないでしょ。奈緒も困ってるじゃないの。
後片付けは、私がやるからお兄ちゃんは奈緒を送ってあげたら?」





ついお兄ちゃんを助けるような事を言ってしまった。奈緒の家はそんなに遠くはないけれど、夜は危険だしね。




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