オトナな初恋
どれくらい集中してたんだろう……打ち込みを終えて、時計を見ると、もう夜8時を過ぎていた。関口主任の姿はもうない。


うわぁ。こんな時間になるまで気付かなかったなんて。


打ち込んだ書類を早坂主任へ渡す。


「遅くなりました。これ…ここに置いて置きますね。」


『お疲れ様。本当助かるよ。ありがとう。』


そういって私を見つめながら、笑ってくれたんだ。


「し、仕事ですから!」


やばいよ。
今、そんな笑顔で見上げられたら……


顔が熱くなってきてるのが、わかる。
きっと私今、真っ赤だよ。

「そ、それじゃあ、私帰りますので、お先に失礼します!」


もう少し一緒にいたかったけど、真っ赤な顔見られたくないもんね。





更衣室で鏡を見る。
やっぱり、真っ赤だ、私…

でも…すごい!一緒の仕事になって、初めて褒められた!
笑いかけてくれた!


もっと頑張れば、いっぱい笑顔向けてくれるかな?


そしたら…私はそれだけで、また頑張れるのに。
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