オトナな初恋
会社の外に出て、歩き出そうとすると、肩を叩かれた。


えっ?
振り返るとそこには早坂主任。


『暗くなってるし、危ないから、送ってく。車向こうだから…』


「え?はい。あ、でも…
待って! あの…近いですし、歩いて帰りますから!」


早坂主任は少しムッとした様な顔になった。


あ…怒らせた?でも、だって…


早坂主任は左手で私の右腕を掴んでいきなり、歩き出した。


「は、早坂主任!?」


『危ないって言ってるだろう!いいから送らせろ!』

そして車に着いて、乗せられた。


『家の住所は?』


「○○町3丁目です…」


そう告げるけど、返事が無い。


せっかく送るって言ってくれたのに、断ったりなんかしたから、怒ってるんだよね?







無言の車内に耐えられなくて、声を掛けた。


「すみません。」



『何が?』



うぅ…何がって言葉が冷たい気がする。
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