龍の女神となるべき姫【下】 更新停滞中
急に、私の視界は色を失った。
真っ暗どころじゃない。
本当に色がない。
そっか。
私が、翔や愛歌さんのことを思い出しても呼吸困難だけで済んだのは、みんながいたからなんだ。
みんなの存在が、私の頭の片隅に残っていたからなんだ。
でも、それさえもなくなってしまったら、私の世界は色を失う。
どんだけ弱いのよ……。
私の頭からは、呼吸困難になっていたことなどすっかり抜け落ちていた。