【キセコン】とある殺し屋の一日
「わかりましたから、降りてください」
おんぶお化けよろしく背中に貼り付く藍に、与一は体勢を立て直しながら言う。
が、藍が降りる気配はない。
「こなきじじいも、こんな妖怪じゃなかったですっけ」
ふと思いついて言った与一の後頭部に、ごつ、と硬いものが押しつけられる。
「何ですってぇ? これ、喰らいたいの?」
感触でわかる。
いつの間に取り出したのか、押しつけられているのは、藍愛用のSAAだ。
与一がエンフィールドを持っているように、藍も拳銃を持っている。
藍が使うのは、コルト・シングル・アクション・アーミー。
略してSAA。
エンフィールドよりも小ぶりだが、重さは倍ほどもある。
扱いも、エンフィールドより難しい。
が、藍は事も無げに小さな手でSAAを扱うのだ。
「無駄口叩いてないで、さぁ、さっさと出かけるわよ」
無駄口を叩いているのは、どちらかというと藍のほうなのだが、当たり前のように藍は与一の背で馬の腹を蹴るように、足をばたばたさせた。
「わかりましたから、降りてくださいって」
「やーよぅ。さぁさ、このまま、れっつらごー!」
訳のわからないことを言い、足をばたつかせる藍に、与一はうんざりといった表情をしつつも、からからと引き戸を開けた。
おんぶお化けよろしく背中に貼り付く藍に、与一は体勢を立て直しながら言う。
が、藍が降りる気配はない。
「こなきじじいも、こんな妖怪じゃなかったですっけ」
ふと思いついて言った与一の後頭部に、ごつ、と硬いものが押しつけられる。
「何ですってぇ? これ、喰らいたいの?」
感触でわかる。
いつの間に取り出したのか、押しつけられているのは、藍愛用のSAAだ。
与一がエンフィールドを持っているように、藍も拳銃を持っている。
藍が使うのは、コルト・シングル・アクション・アーミー。
略してSAA。
エンフィールドよりも小ぶりだが、重さは倍ほどもある。
扱いも、エンフィールドより難しい。
が、藍は事も無げに小さな手でSAAを扱うのだ。
「無駄口叩いてないで、さぁ、さっさと出かけるわよ」
無駄口を叩いているのは、どちらかというと藍のほうなのだが、当たり前のように藍は与一の背で馬の腹を蹴るように、足をばたばたさせた。
「わかりましたから、降りてくださいって」
「やーよぅ。さぁさ、このまま、れっつらごー!」
訳のわからないことを言い、足をばたつかせる藍に、与一はうんざりといった表情をしつつも、からからと引き戸を開けた。