好きになる理由。


 わたしが言うことでもないけど、


 きほちゃんはかなりモテる。


 スラっと伸びた背や足や手に、整った顔立ちをしてて。

 成績優秀スポーツ万能。


 その上性格までサバサバしてて


 優しくて、あたしの理想の女の子なんだよね。



 きほちゃんの苦手な物なんて


 虫以外は、聞いた事すらないよ・・・。



 でも、すっごい悔しいけど、大地もすごくモテる。


 性格は素直ですごくいいヤツなんだよね。


 しかもモテてる自覚ないしね・・・。


 あたしは恋愛対象として見たことは1度もないけど。



 あー・・・今大地に会いたくない。



 なんか会いたくない気分だよ…



「ちひろ、きほー!お前ら、同じクラスだなー!」


 


 …これは幻聴かな?


 今、大地の声が聞こえた気がす・・・



「おい、ちひろ、何ボーっとしてんだ?」




「わあああああああああああああああッッ」



 気がついたら、大地の顔がドアップで視界にどでかく映っていた。




「あ、大地!あたしまだ許してないからね~」


 きほちゃんが大地の肩をつっつきながら言った。


 そういえば、きほちゃんも

 大地にイラついてるって言ってたっけ?



「マジごめんって・・・。
 それに、あれはちひろに対して笑っただけだか・・・
 あ・・・!!
 ご、ごめんちひろ!本当にごめんって!
 遅れたのはマジごめん、でも
 あんときのは、お前がマヌケな顔してるから」


 ベシッ


「1回黙ろうね☆ 大地くん☆」


「ごめんって!!ごめん!なさいーー」



「はあ…っ」


 思わずでっかいため息が出た。


 まあ、いつものことなんだけどさ・・・。


 だけど!

 やっぱりムカつくーーー!!


 




 
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