切ない恋物語
「なんで、そんなに驚いてんだよ」
慶斗は言った。
「だって、沙姫誘うんだろ?二人でクリスマス、過ごすわけだろ?」
俺は言った。
「俺さ、沙姫といると自分らしくいられるってゆうか、永遠や夢果といても自分らしくいられるんだけど、沙姫といるとなんか違うんだよな」





「それって、恋じゃねぇの?」





「恋か…こんな気持ちになったの、妹を好きになった以来かも」





慶斗は少し照れていた。





「そっか」




俺は、なんだか嬉しかった。






慶斗はもう、あんな悲しそうな顔をしなくなった。





慶斗は少しずつだけど、前へと進んでいる。





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