切ない恋物語
手を繋いで、学校を出た。
「映画を見に行った時、あったでしょ?」
「あ、うん」
「あの時、初恋の話したじゃない?私の初恋ね、永遠だったから言えなかったの」
夢果は言った。
「俺も。俺の初恋も夢果だったから言えなかった。言ったら、俺の気持ちバレるし」
俺は言った。
「そうだったんだ」
夢果は笑った。






「初恋って特別だよね」



夢果が言った。




「初恋は、絶対忘れられない。特別なんだよな」



俺は夢果の手を強く握った。





夢果、ずっと俺のそばにいてくれ。





ただ、いてくれるだけでいいから。





そばで、笑っていてくれるだけでいいから。







俺から、離れないで。






俺が離したくないんだ。







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