飼わせてあげるよ【BL】


端に見える彼の笑顔と手。

その手には、筆が持たれていた。

筆もテーブルに置かれていたが、
近くに紙もあったからスルーしていた。


彼はその筆で、俺の顔の輪郭をなぞる。

耳のふちを擽られて思わず身を捩ると
浮きかけた腕を抑えつけ、彼は笑う。


「やっぱこっちも使おうか」

そう言って、手枷を片方、俺に嵌め
もう片方はベッドヘッドに取り付けた。


……選んだ意味が無い。


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