藍色の砂
まぁ、そういうことだったらと
咲妃さんのパスタを取り上げて
また頬張る。
それをまたニコニコしながら見てる。
ちょっとだけ間接キスみたいで
ドキドキしてるのは
相変わらずボクだけだけど。
きっとこんなボクを
“ 弟 ” としか見てないんだろうな。
でも今はそれでもいい。
その後はまた咲妃さんは
職場に戻ったし、
ボクもお礼を言って別れた。
通常の毎日が戻ったわけだけど
明らかにボクの中で
咲妃さんの存在は変わった。
抑えきれない想いが
日に日に膨らんでいく。
逢いたくて、
声が聴きたくて、
また笑いかけてほしくて、
自ら渦の中に足を踏み入れてしまう。
もう、止められないと思った───。