藍色の砂
『知ってる?ボクが一番嫌なのは、
咲妃さんの涙だよ。笑っててほしい。』
言いながら、
何度も同じ言葉が頭を過ぎる。
だからなんで兄貴なんだよ…!
言ってしまいそうで怖い。
これを言ったら、
困るのは咲妃さんだから。
それでも好きな気持ちが
容赦なくボクに降り注いで
目の前のキミを
奪い去りたくなる…。
抑える反面、口だけは
言うことを聞かなくて
真っすぐキミだけを見て
ボクなりの決意を
ぶつけてみた。
『もしもその原因が兄貴にあるなら、
ボクは兄貴を許さない。』
例えこの一言が、
ボクたちの歯車を狂わせたとしても。
後悔はなかった。
キミから触れた唇。
一瞬の出来事。