恋、奏でます

入学式

急いで入学式会場の体育館に行き
自分達の席に座った。

《…うあぁ…出席番号順…やだなぁ…》

長泰亜月の「な」と、坂本海羽の「さ」では
良い感じに列が変わってしまっているのである。

《周りは他の小学校の人ばっかだし……うぅ…》

そう、私は筋金入りの人見知りなのである!!

「はぁ……」

周りに聞こえない程度のため息をして下をうつむく。
「…ぃちゃんっ、みいちゃんってばっ」

!!
この声はっ!!

「あづっ…………


ー…ッ!!//」


ー…私はあづではなく、あづの隣の男子に目がいった…

さらさらの髪に透き通るような白い肌、澄んだような茶色い目。
ー…かっこいい…。

「おーい…みーちゃーん…」
私はあづの声なんて耳に入らなかった。

「…ぁっ//」

目がーあったー…

やばいっやばいやばいぃぃぃ!!//
絶対今顔真っ赤だあぁー!!

「もうーー…みぃぃちゃああん!!」

はっ…あづっ!!

「ごめっあづっ//ボーっとしてて…ほんと、ごめー…!!」

ー…とその時、

「こらあぁ!!そこの女子二人、うるさい!!」

!!

「「すっすいませんっ!!」」


私とあづが誤っている間に例の男子は、顔をそむけてしまった。

ちょっと笑われたような気がしたけど…気のせい?

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