セブンデイズ・リミテッド(仮)
「祟りを静めし神の使い。伝承が残るほどなんだからスゴいわよねぇ~」
「ふんっ。邪魔ばかりしておったくせに、いとも簡単に手の平を返すもんじゃ」
「ま、その点に関して異論はないわ。――で、嫌いな人間と一緒にいるのは、ひのが心配だから?」
頬杖をつきながら、エフは目を細めた。
「緋衣(ひい)ちゃんに似てるもんねぇ? 自分よりも他人なとことか」
「ふんっ、エフも緋衣を見習え。使いにすら相手にされぬとは、女が泣くぞ?」
「いやいや、女として磨きかけちゃダメだって。――それより、緋衣の方は任せたわよ? そっちまで何かあったら手が回らないもの」
立ち上がり背伸びをするエフ。ワシもそろそろ出ようとコタツから下りた。
ドアから出るエフと共に外へ出ると、神社の方から違和感があった。女が退治したという影がいるわけじゃない。これはもっと中心――神木のあたり。
「ハクも行きな。なんなら、力分けてあげよっか?」
怪しい笑み。見返りを求められそうな気がするから、ワシは何も言わずにその場を後にした。
神木に向かう道中、エフの言葉が頭を巡る。まあ、本当に危険な時は分けてもらうか。
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三人で待ち合わせ場所に向かっていると、携帯が震えた。画面を見れば、クラスの男友だちからのメール。件名には、なからず読め! とある。コイツはいつもそんな書き方をしない……。胸騒ぎを覚えたオレは、足を止めてメール見た。
一番に飛び込んできたのは【神隠し】の文字。兄貴が数日帰って来ず、一昨日ふらっと帰ったと思えば、今度は兄貴だけでなく母親も一緒にいなくなったらしい。想像以上の被害に、重いため息がもれた。
「――問題でもあったか?」
「直接、ってわけじゃないけどな。――クラスのヤツの家族が、神隠しにあったって」
「一度帰って来ていなくなったのか? それとも今か?」
「一昨日帰って来て、今は母親もいなくなってるらしい」
「なら、オレは先に行く。友達とやらはうまくまいてくれ。普通の人間には酷なことだからな」
告げると、男はあっと言う間に姿を消した。
「――やっぱ、闘うんだよな?」
ひのを見れば、しっかりと頷かれた。
だったら誠司を連れては行けない。ひのには待ち合わせ場所が見える少し離れた位置で待ってもらい、誠司の元に行った。


