記憶の中で…


頭を撫でていると、ナツキの真剣な声が聞こえて顔を覗き込んだ。

「わかりました。」

そう言ってナツキは電話を切った。

「どうしたの?」

「この間訪ねた病院の先生から。当時の事、覚えてた看護師さんがいて、思い出したから土曜日の昼から来てくれって。」

「え…じゃあ、あの病院にいたって事?」

「うん。」

心臓がドクンと脈打った。知りたいような…知りたくないような…複雑な気持ちだった。

本当の事を知ったらナツキはどうするんだろう。ナツキのお父さんは?

とても不安になった。




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