記憶の中で…
「それが…。母はストレスから体調を崩して入院中ですし、父は…バカな事を言うなの一点張りで話になりません。」
「…今のところは思い当たる事はないから、ここにいる年配の看護師にも聞いてみよう。何かわかれば連絡するよ。」
家に帰るまでナツキは何も喋らなかった。何かわかるかも…と期待していただけに、落ち込んでいるようにも見える。
「県内の他の病院も探そ?きっと見つかるよ。」
明るく言ってみても表情は固いままだった。
「あ…あの。そうだ!ここんとこ、こんな事ばっかりだったから、たまにはデートしない?映画館とか水族館とか…ね?」
小さく首を横に振って、「行かない。」と小さな声で答える。
「ナツキ?入院してた病院の先生も言ってたよ?あんまりストレスを抱えちゃ駄目だって。たまには息抜きも…。」