《完》蜜恋☆LOVERS 〜幼なじみは独裁者!?〜
あたしはペコリと頭を
下げると、きびすを返して
その場を後にした。



藤枝さんが指定した道場の
裏手まで、全力疾走で走る。



着いた時、狭い庭のような
その空間にはまだ陸は
いなかった。



あたしは胸に手を当て、
呼吸を整えながら陸を待つ。



やがて砂利を踏む足音が
近づいて来て……
道場の外壁を回り込んで、
陸が姿を現した。



「…………っ!? 

お前、なんで――…!?」



そこにいるのがあたしだと
気づいた陸は、ギクッと
立ち止まり小さな声をもらす。


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