御曹司の溺愛エスコート
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蒼真はベッドボードに背を預けながら隣で眠る桜を眺めていた。


もう二度と離さない。


愛しい桜を長い間見つめていた。




桜が目を覚ました時、室内はベッドサイドの小さなライトだけ点いていた。


……そうだ……私、蒼真兄さまと……。
好きな人に抱かれたのだから後悔はしない。


隣に蒼真はいなかった。


どこへ……?


ベッドサイドのデジタル時計を見ると19:20


たしか……4時頃帰ってきたはず……。
すごく眠ってしまった……。


身体にシーツを巻きつけてベッドから下りようとすると、腰が怠くすぐに立ち上がれなかった。


そこへ蒼真が入って来た。


「桜、起きたんだね」


蒼真はちゃんと服を着ていた。


蒼真の顔を見るのは恥ずかしい。
桜は視線を蒼真の胸元に移して頷いた。

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