御曹司の溺愛エスコート
「う……っく……」


桜は止まらない涙を止めようと、湯船の中に頭まで浸かった。
苦しさの限界まで湯船の中に浸かっていたが、息が苦しくなって顔を出した。


「は……ぁ……はぁ……」


バスルームを出ると、2時間近く入っていたことに気が付いた。


桜はシカゴから持って来た着慣れた水色のパジャマを着た。


寝室に戻ってもまだ蒼真の姿はなかった。


蒼真兄さま、今日一日私に付き合ってくれたから忙しいんだ。


そう思うとベッドに入るのが悪い気がする。
時計を見ると12時を過ぎている。


桜はあくびを噛み殺して、アメリカから持って来た本を読み始めた。




< 190 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop