御曹司の溺愛エスコート
『そんなに遠くまで……』

「……」

『すぐに帰ってくるんだ』


もしかしたら桜は帰ってこないのかもと蒼真に不安がよぎる。
桜の返事がない。


『聞いているか?』

「……これから戻ります」


マンションまで2時間はかかる道のり。


『いや、迎えに行く』

「電車の方が早いからいい……」

『……わかった。気をつけて帰ってくるんだよ?』

「はい」


桜は携帯を切り、バッグの中へしまった。


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