御曹司の溺愛エスコート
やっとの事で駅に着くと改札口に真琴の姿が見えた。


「真琴さん……」


グレーのロングコートを着た真琴が桜に気付き、改札を出ると近づいてきた。


「お帰りなさいませ。蒼真様が心配しております」

「ごめんなさい」


謝る桜は疲れた顔をしている。


外に出ると蒼真がこちらに向ってくる所だった。


「桜」


蒼真の声にビクッとして声のした方を見た。


「遅かったな。電車の乗継が悪かったのか?」


桜が首を横に振る。
頭を振ると、先ほどからひどくなった頭痛が更に痛んだ。


「違う電車に乗ってしまって……」


疲れた表情の桜に蒼真は怒っていた事も忘れ、肩を抱き寄せた。


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