御曹司の溺愛エスコート
父さん、おふたりが一緒に住んでいると知って喜んでいた。
桜様を目に入れても痛くないほど可愛がっていたから無理もない。


そこへ携帯電話が鳴る。
画面に蒼真の名前が映し出される。


「はい。蒼真様」

『聞いたね?』

「はい」

『鍵を芳乃さんに渡し、使い方を教えておいてくれないか』

「はい。桜様の具合は?」

『風邪だ。それほど心配する状態でもないが、しっかりとした食事を摂らせたくてね』

「母が喜んで行くそうです」

『芳乃さんによろしく伝えておいてくれ』


真琴は切れた携帯電話をポケットへしまった。

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