御曹司の溺愛エスコート
桜は真夜中に目が覚めた。
全身が汗をかいて気持ち悪くて起きたのだ。


ベッドには自分ひとりしかいなかった。


蒼真兄さま……?


時計を見ると1時ちょっと前。


のろのろと起き上がりウォークインクローゼットに向かう。
頭痛はかすかな痛みに変わっていた。
だが身体が熱く、眩暈がして足元がふらつく。
ふらついた拍子にハンガーに肩がぶつかり落としてしまった。
その物音に蒼真が気付いた寝室に入ってきた。


「桜?」


ベッドに桜はいなかった。


蒼真はウォークインクローゼットをのぞくと、ハンガーを拾おうとしている桜を見つけた。


「何をしている?」

「汗かいちゃって……」

「そう言う時は呼ぶんだ」


桜の身体を軽々抱き上げてベッドに降ろすと、蒼真はクローゼットに戻りパジャマを手にして戻った。


桜がパジャマのボタンを外そうとすると、その手を阻まれる。
蒼真はテキパキと新しいパジャマに着替えさせた。


「横になっていなさい。水を持ってくる」

「はい……」


桜は横になると、目を閉じた。

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